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政治を揶揄するような小説を書くと、どうしても陳腐になるのは避けられない。
しかしこのドラマもコンフリクトもなく、まるで筒井康隆の「読者罵倒」のようにからかうだけの小説であるのに、なぜだかぼくはマクベスにおける門番を思い出さざるをえなかった。
ただしあの愛すべきノックノックはない。それがないためにかえって浮き彫りにさせているのは敵意の強い即効性であり、そして権力者が持つ二つの身体だ。
国王二体論は王権に神からの太鼓判を押させるためにひねり出された理屈だがそれは今日でもなお生きている。
植物園の中に安置された首相の肉体があって主人公は彼に対してののしりあざけり、からかうことをやめないが、それは、政治的性格を失った彼の肉体への嫌悪だ。
首相の政治的肉体はまだ生きており、作品の九割をかけて浴びせかけられた罵倒をうけてなお傷一つついてはいない。
単なる罵詈雑言の風を装いながら、現代に生きる権力の影武者を描いてみせた力作であると思う。
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