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ポール・オースターの作品を読むのは初めてだった。
僕の好きな作家ドン・デリーロの小説コズモポリスが彼に献呈されているのを見て興味を持った。

本名とは違う筆名で探偵小説を書いている家族に死に別れた男、ダニエル・クインのもとに深夜、探偵ポール・オースターに依頼を求めてくる電話がかかってくることから物語がはじまる。

読み始めてまず思ったのは方向性がわずかに違うにしても、叙述の仕方や視点の置き方が村上春樹に似ていることだった。それらはおそらく過去のアメリカ小説による共通の影響なのだろうが、一度村上春樹の小説を英語で読んだ時を強く思い出した。

この小説は絶えず謎が掲示され続ける。
それに対して答えが与えられるわけではない。
そもそも読者はどうして主人公がそもそも自分に求められているわけではなかった依頼に乗ってのめり込んでしまったのか、それが理解できない。
登場人物は時折嘘を語る。重要人物である教授は論文に架空の人物を書き込み、二人になったりする。本人として登場する作者ポール・オースターはドン・キホーテにおいてとられている作中作について語り、読者をさらなる猜疑へと落とし込んでいく。そして最後までほとんどなげっぱなしなのだ。
それなのに心を掴んで離さない。

これは物語の自由性の再定義とも言える作品だ。

気に入った言葉
Time makes us grow old, but it also gives us the day and the night. And when we die, there is always someone to take our place.

For all men are eggs, in a manner of speaking. We exist, but we have not yet achieved the form that is our destiny. We are pure potential, an example of the not-yet-arrived.

Lying is a bad thing. It makes you sorry you were ever born. And not to have been born is a curse.
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