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彼女はいま生きている女性作家のうちでもかなり好きなほうだ。

心底描くのが好きといった感じで、それを才能が裏付けしているようなひとだ。
もっと広く知られていてもいいものとも思っている。

この小説のすばらしいところは、第一に、老残のかなしみを主体的でなく客体的に描いていることだった。
死はもっとも個人的な体験だ。
戦争は死をそうでなくさせるから、僕は否定的に思う。
それはそうと、この老残のひとときを若い女性が色として現れたらどれほど幸せなことだろう。
しかも女性はひとりで個人の居酒屋に来て、とても良い酒飲みで肴の趣味もよくて、自分に本気だとしたら。

人は老いるにつれて自分勝手になる。
子供が自分勝手なようにそれは仕方のないことで、これらふたつの違いは責任があるかないかだけだが、老人は死という最強の責任放棄をもっているので結局は同じだ。

若い女性はそれに憤ったり流したりするが、若いつばめの誘惑にもまけずに自分を見てくれる。
ひとつの幸せの形を描ききって見せること、それ自体すばらしい業績だ。
ほどよい切なさになるように、もののあわれを恋心でつつむ妙義は女性のなせる業だと思う。
そして男性なら老人にたって、女性ならかつての教え子となって両性ともに楽しめる、これはまさに名作だ

気に入った言葉。
真面目に言い合った。わたしたちは、いつでも真面目だった。ふざけているときだって、真面目だった。
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