洪水の夜

光をまだ
忘れられずにいるうちから
きみがそちらへ行ってしまうのを
愛するひとは ゆるしはしない
風 ふきおろす丘陵地帯より
笑い育った走る君の
光るネオン管 三日月の脚は
熱狂した 熱狂のための思想のさまざまな
故郷より 形作られた脚とともに
その熱狂の頂点へと向うだろう
夜の闇に
熱狂の色はどれほど似合うだろうか
 (そして真昼の熱狂は君にどれほどつまらなくみえるだろう)
どうか帰って来ておくれ
洪水の夜は まだ来ない
どうかあちらへ行かないで
洪水は 君をこちらへ押し戻す
その思想と現実の濁流は 君の
光るネオン管 三日月の脚を
もう笑えないほど痛めるだろう
愛するひとはそれをもとめはしない
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