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川上弘美の「蛇を踏む」が面白かった。

薮で蛇を踏んでしまう
すると蛇が母に変身する。

そこまではまるで安部公房の世界だけど
現実感において決定的に違った。

安部公房の作品では非現実な出来事が現実に起きて
現実から離れたくない主人公があくせくするが
「蛇を踏む」では蛇を踏んでから主人公を取り巻く現実が
フライパンに乗せたバターが熱されて溶けてゆくように崩れていく。

「蛇」が持つイメイジも含んでとても妖艶だ。

現実が輪郭を失って夢もうつつに時間ばかりが過ぎてゆく。

その雰囲気が心地よくて
またあるのかないのかわからない読後感がよかった。
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